いとぴょん安房守の雑感録

歴史・時事など気ままに書いています

天に守られた男

『鎌倉殿の13人』第7回見ました。

 

房総編はあっという間に終わってしましましたが、平家方の長狭常伴が大河初登場し、安房出身の私にとっては感慨深かったですね。

ただ、常伴は頼朝に夜襲を仕掛けたものの寝取られ漁師とともに、三浦義村によってなんだかよくわからないままあっけなく鎮圧されてしまいました。

佐殿の女好きが功を奏したのか、寝取られ漁師のおかげ、亀が勝利の女神だったのか…佐殿の強運のおかげとドラマでは描かれていましたが、実際は房総で長狭氏と長年対立していた三浦氏の手柄でしょうね。三浦氏は房総に影響力を有し、おそらく豪族間の情報ネットワークがあったと思われます。ドラマの中でも新撰組副長を彷彿とさせる、抜け目のない手際の良さでした。

 

実は長狭氏の話はこれで終わりません。

頼朝が鎌倉入りした後の話になりますが、佐中太常澄という長狭常伴の家人だった人物が、長狭氏滅亡後敵方に付くことを良しとせず主の無念を晴らすために鶴岡八幡宮若宮宝殿の上棟式の際、頼朝を暗殺しようとする話が吾妻鑑に出てきます。

この時も暗殺は未然に防がれ、佐中太常澄は処刑されました。

その晩、頼朝の夢の中に一人の僧が現れ、暗殺されなかったのは若宮造営の功徳のあったおかげだと告げたらしく、頼朝はすぐに若宮に馬を奉納したという話があります。

 

やっぱり、信心深い頼朝は天に守られているんですね。

単なる強い、頭が良い、性格が良い、血筋が良い、位が高いだけでは不十分なんです。天を味方に付けてないと…人は付いていかないんですね

まあ、この話は神などくそくらえと寺社勢力を弾圧している平清盛との対比で書かれたのかもでしょうけど。

 

ドラマの中で「佐殿は天に守られています。現に命を救われています。佐殿は担ぐに足る人物です」と北条小四郎が上総広常に訴えるシーンがありました。

今回は単なるドタバタという感がありましたが、佐殿の強運っぷりがこれからどう描かれるのか…楽しみです。

 

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